@Canada/Prince*Edward*Island@

第3話

(1996/10/8〜10/9) オーウェル歴史村(PEI)&トロント

4日目、今日は半日のオプション、ピクニックツアーへ参加する。また同じガイドさんと運転手さん。まず灯台へ向かう。モンゴメリの作品『アンの夢の家』に出てくる灯台も「こんなのかなあ」と考えていたら、目の前に灯台が見えてきた。上部は赤色で、太い円錐のような形をしている。ガイドさんが、「パイナップルウッド」と言うミニたんぽぽみたいな花の説明をしてくれたので、早速写真に収めようとした時、またガイドさんが「以前アンのファンの方が私が説明するものはたとえごみでもカメラに収めていた人がいて、かえるころにはフィルム一三本になっていた」と言われて友人と二人、どき!図星だった。この花、パイナップルと名づけられているだけあって、こすり合わせると、ほのかにパインの香りがする。
私たちは灯台を後にして、オーウェル歴史村と名づけられた、19世紀後半の島の暮らしを再現した村へ行く。学校の教室や当時使われていたものが再現されている。どれも目新しく、見ているだけでアンの世界がまたよみがえってくるようで、心が躍る。


ランチタイムは、ピクニック形式。また量の多さに驚いた。味はおいしいのだが、こんなに甘さがしつこいと、あっさり和食が懐かしくなってくる。せめて夕食は軽く済ませたいところだが、今夜は島での最後の夜なのでレストランで夕食を計画する。


レストランへ行く。初めてなので緊張した。現地係員さんのお勧めでシーフードレストランに決める。レストランを探し当て、私たちはドアを開けた。ウェイトレスさんはにこやかに出迎えてくれた。内装は暗めの照明で映画に出てくるパブを思わせる雰囲気でもあった。シーフードを注文する。出てきた食事は、やっぱり多すぎた。シーフードの具が見たこともないほど大きく、並みの量ではない。しかし残すのは失礼かと、「Could I have a doggy bag?」テイクアウトを何とか英語で言うと「OK!」通じた!やった!初めてだ!だがホテルに持ち帰ったものの、結局は食べきれなかったが。明日は天気が悪いらしい。あの小さなプロペラ機は大丈夫だろうか。

10,9(Wed) PEIからTronto

10月9日の朝は、ストーム(嵐)の余波を受けて暴風雨。カナダではストームがよく来るそうだ。このような状況で飛行機が飛べるかと思ったが、やはり飛んだ。落ちないか不安だ。30人乗りのプロペラ機は今にも落ちそうな気がする。日本で言えば、台風の強風を正面から受けているような具合だったのだ。揺れも並みではなかった。冷や汗と乗り物酔いが襲ってきて、心臓の鼓動も増す。「もしこのまま墜落して死んだら…?」こんなカナダの東の端の片田舎で、飛行機が墜落したって日本の新聞に届くだろうか。プリンスエドワード島へ行くことは、確かに夢だったから本望だと言ってもそれでは割り切れない。両親はどう思うかとかいろいろなことが駆け巡る。さすがに、隣の友人としゃべる余裕もなかった。「落ちるかな?」なんて恐ろしくて口に出すと本当に現実になって起こってしまいそうで言葉にできない。しかも、酔いもかなりピークに来ていた。さすがに最期だという瞬間になれば何か言葉が出てくるかもしれないが、できればそんな事態は起こらないで欲しい!と真剣に考えながらもなお、プロペラ機は嵐の中を飛び続けていた。


結局飛行機は、当初の予定より一時間以上も遅れて無事ついた。とにかく、ついただけでいい。げんなりして、何もする気力は残っていなかった。が、あまり休む間もなく飛行機を乗り継ぐ。今度は大型飛行機なので大丈夫なようだ。雲の上を飛ぶので、嵐の影響は受けなかった。


夕方、あの初日に泊まったトロントのロイヤルヨークホテルに着く。小雨の降っているせいか、少し肌寒さを感じたが、貴重な時間を無駄にはしなくなかったので、疲れた体を押して、オンタリオ美術館へ行く。が、場所がなかなかわからず、朝からの飛行機のせいで体もだるくなってきて気分もいらいらしてくる。迷っている上に、いろいろな人種の人たちが街を歩いているので、なんとなく恐くなってきた。夕暮れのせいもあって、不安は募っていく。ここはカナダ第二の都市だから、プリンスエドワード島みたいに、のんびりと歩いてはいられない。ショルダーを抱え込むようにして歩いていく。地図の通りに行っているが、美術館は見つからず途方に暮れていると、中年のサングラスをかけた太った女性が突然、英語をまくしたててしゃべりかけてきた。最初、二人とも脅えていたが、よく聞いているとどうやら美術館の場所を親切にも教えてくれているらしい。人を疑うのは良くないと、しみじみ思った。やはりカナダは比較的完全な国だと改めて思う。やっと、美術館に着いた。入館料は、予想以上に高い料金で少し不満だ。しかも一風変わった抽象的な絵ばかりであった。


帰り、イートンセンター街へ立ち寄った。ここではほとんどのジャンルの店舗がある。ファーストフードの店などもあったので、夕食にまた「フィッシュ&チップス」を注文する。その後は周辺を探検してみた。ビデオショップには、日本でも公開されている映画のビデオが日本で売られているよりはるかに安い値段で、多数置いてある。『赤毛のアン』のビデオテープもあったので、買いたい衝動にかられたが、既に買い物をしすぎていることもあって、簡単には買う決心がつかない。結局買わずじまいで後日帰国後、この時買っておけば良かったとつくづく後悔することになるのだが…。


ホテルまでの帰り道、歩くのには少し距離が遠いこともあり、地下鉄へ初乗りすることにした。アメリカ映画に出てくる地下鉄の雰囲気が少し漂っている。時間が夜と言うこともあり心細く、「一刻も早く駅に着いて欲しい」と心の中で願っていた。3つめの駅なのだが、一時間以上も乗っている気さえした。本当は10分少々だったのだが。やっと着いた時、 思わず深呼吸するほどだった。ホテルは駅前からすぐのところにあった。明日10日はナイアガラの滝へ行く。そしてカナダでの最後の夜になる。

 

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